APC の Network Management Card と PowerChute Network Shutdown の設定方法について記載します。
PowerChute Network Shutdown について
- APC UPS のモジュール Network Management Card(以下、NMC)と併用することで、UPS と接続しているサーバ等をネットワーク経由でシャットダウンすることができる
- 商用電源からの供給が停止した際に、UPS のバッテリーが残っている間に接続しているサーバを安全にシャットダウンする等に利用できる
- PowerChute Network Shutdown を管理対象サーバにインストールすることで、対象サーバを管理できるようになる
インストール前の準備
- 対象 UPS に NMC を装着し、IP アドレスを設定する
- NMC の Web インターフェイスを使って、UPS と NMC を設定
- シャットダウンの設定で [バッテリ残量低下持続時間] の値を 5 分以上に設定
- オンバッテリ動作時のUPSに対して、UPSがバッテリ低下状態を通知するまでの残りの稼動時間
- 管理者の認証フレーズをデフォルトから変更
- シャットダウンの設定で [バッテリ残量低下持続時間] の値を 5 分以上に設定
- NMC と PowerChute で、管理者の認証フレーズとユーザー名を同じにする必要がある
- NMC の場合、デフォルトの管理者ユーザー名とパスワードは両方とも
apc
で、デフォルトの認証フレーズはadmin user phrase
NMC の IP アドレス設定
- APC Device IP Configration Wizard を使用して設定することができる
- 詳細は以下のサポート情報参照
【APC】Network Management Card 2のAPC Device IP Configration Wizard 5.0.2 を使用したIPアドレス設定方法
- 作業端末と UPS をシリアル接続して CLI で設定することも可能
- IP アドレスの設定モードをマニュアルに設定
boot -b manual
- デフォルトは
dhcp
との情報有り
- IP アドレスの設定
tcpip -i yourIPaddress
- サブネットマスクの設定
tcpip -s yourSubnetMask
- デフォルトゲートウェイの設定
tcpip -g yourDefaultGateway
- 次のように 1 コマンドでまとめて設定することも可能
tcpip -i 156.205.14.141 -s 255.255.255.0 -g 156.205.14.1
- 設定後、再起動させる
reboot
- IP アドレスの設定モードをマニュアルに設定
NMC の Web インターフェイスへのアクセス
ブラウザで以下のいずれかにアクセスする。
- http://nmc_IP
- https://nmc_IP
ユーザの作成
- apc で Web インターフェースにログイン
- [Configuration] → [Security] → [Local Users] → [Management]
PowerChute 関係パラメータの設定
[設定] → [シャットダウン] → [PowerChute シャットダウン パラメータ]
- ユーザ名
- 認証フレーズ
インストール
Windows にインストールする
- PowerChute のインストーラを実行する
- インストーラの画面に従いインストールを進める
- 途中、仮想化サポートまたは Hyper-V サポートについては有効にしないを選択
- インストール完了後、PowerChute セットアップウィザードが起動するため、ウィザードの画面に従い設定を行う
アンインストール
以下の PowerChute インストールフォルダ内にあるアンインストーラを実行する。
- APC\PowerChute\uninstall.exe
Linux にインストールする
- インストール用 CD または Web からインストール用ファイルを入手する
- 対象 Linux マシンのローカルディレクトリにインストーラを格納する
- root ユーザで、インストーラを実行する
- [ ./install.sh ] コマンドでインストーラを実行
- スクリプトの表示に従いインストールする
- インストール完了後、PowerChute セットアップウィザードで設定を行うため、ブラウザで以下にアクセスする
- https://linux_machine_IP:6547
- PowerChute セットアップウィザードの表示に従い設定を行う
アンインストール
以下のアンインストーラを実行する。
- /opt/APC/PowerChute/uninstall
セットアップウィザードの内容
以下ページが参考になりそう

PowerChute クライアントの確認
NMC の Web インターフェイスの以下項目で確認可能
- [設定] → [PowerChute Clients]
商用電源が停止したらシャットダウンさせる
商用電源が停止すると UPS はバッテリーモードになる。一定時間以上バッテリーからの電源供給が継続した場合に、対象機器をシャットダウンさせるための設定。
PowerChute の Web インターフェイスにて以下手順で設定する。(日本語表記の場合)
- [イベントの設定]
- [UPSオンバッテリ] 行の [シャットダウン] 欄のアイコンをクリック
- シャットダウンの設定画面
- [シャットダウンの有効化] にチェックを入れる
- [待機時間] でバッテリーモードになってからシャットダウンまでの時間を入力
- [適用] をクリック
NMC の Syslog 設定
Syslog サーバの設定
[設定] → [ログ] → [システムログ] → [サーバー]
- システムログサーバー
- 4つまで設定可能
- ポート
- デフォルト 514
- 言語
- プロトコル(TCP or UDP)
- デフォルト UDP
システムログ設定
[設定] → [ログ] → [システムログ] → [設定]
- メッセージ生成
- 施設コード
- 重大度の関連付け
システムログのテスト
Syslog サーバにテストメッセージを送信
[設定] → [ログ] → [システムログ] → [テスト]
NMC の SNMP 設定
コミュニティ設定
- [設定] → [ネットワーク] → [SNMPv1] → [アクセスとアクセス制御]
- [設定] → [ネットワーク] → [SNMPv3] → [アクセス、 ユーザープロファイルとアクセス制御]
トラップ設定
- [管理] → [通知] → [SNMP トラップ] → [トラップレシーバ]
- [管理] → [通知] → [SNMP トラップ] → [テスト]
参考資料
PowerChute Network Shutdown v4.3 インストールガイド
PowerChute Network Shutdown v4.3 ユーザーズガイド Windows, Linux, Unixおよび mcsOS
UPS Network Management Card 2 インス ト ールマニュアル (AP9630、 AP9631、 AP9635)
UPS Network Management Card 2 ユーザーズガイド (AP9630、AP9631、AP9635)
UPS Network Management Card 2 コマンドラインインターフェイス (AP9630、AP9631、AP9635)
Network Management Card インストール / クイックスタート (AP9617、AP9618、AP9619)
UPS Network Management Card ユーザーズガイド (AP9617、AP9618、AP9619)