パーティションと Boot パーティションについて
Aruba モビリティ・マスターには OS を格納するパーティションが 2 つあり、パーティション別に OS をインストールすることができます。
さらに、装置起動時にどちらのパーティションを使用して起動するか(Boot パーティション)を指定する設定項目があり、装置起動時には指定したパーティションが使用されます。
一般的には片方のパーティションはバックアップとするため、バージョンアップ時は 2 つのパーティション両方について OS バージョンアップ対応を行います。
なお、モビリティ・コントローラについても同じ仕様になっています。
バージョンアップ手順
作業環境
- VMware ESXi 7.0
- ArubaMM-VA 8.6 → 8.7 へバージョンアップ
パーティションのバージョンアップ
バージョンアップは GUI にて行います。
画面左側メニューから [Mobility Master] → [対象ノード] → [Maintenance] → [Software Management] と選択し、さらに [Upgrade] タブを選択します。
[Upgrade] 画面で以下項目を設定します。
- Upgrade using
- OS ファイルをアップロードする方法を選択します
- OSファイルのアップロード方法としては以下があります
- TFTP
- FTP
- SCP
- Local File(GUIに接続している端末ローカルからアップロード)
- USB
- Partition to upgrade
- バージョンアップ対象のパーティションを選択します
- Reboot controller after upgrade
- バージョンアップ後に再起動を行う場合は有効化します
以下画像の例は、ローカルファイルをアップロードする方式で、パーティション 0 をバージョンアップする場合の設定です。
各項目の設定ができたら右下の [Upgrade] をクリックします。
画面下部に「Please wait… Upgrading the controller…」というメッセージが表示されます。
バージョンアップが完了するまでこのページから移動せずに待ちます。
バージョンアップが完了すると以下画像のように「Image Upgraded Successfully.」というメッセージが表示されます。
また、表中の Software Version の表記がバージョンアップ後の内容に変わります。
この後システムを再起動をすると新しい OS バージョンで起動しますが、再起動の前に Boot パーティションの設定を確認します。
Boot パーティションの設定
[Boot Parameters] タブを選択し、[Boot partition] としてバージョンアップしたパーティションが選択されていることを確認します。そうなっていない場合はパーティションを選択し直した上で [Apply] ボタンをクリックしてください。
システムの再起動
[Reboot] タブを選択し [Reboot] ボタンをクリックします。
以下の確認画面では [OK] をクリックします。
以下の画面となりシステムが再起動するため、再起動完了を待ちます。
再起動が完了したら動作中の OS バージョン情報を確認します。
画面左側メニューから [Mobility Master] → [対象ノード] → [Maintenance] → [Software Management] と選択し、さらに [About] タブを選択します。
[Version] 欄がバージョンアップ後のバージョンになっていることを確認します。
CLI でのバージョン確認
CLI でバージョン確認を行う場合は以下のコマンドなどで確認できます。
show version
(MyMM) [mynode] #show version
Aruba Operating System Software.
ArubaOS (MODEL: ArubaMM-VA), Version 8.7.1.1
Website: http://www.arubanetworks.com
(c) Copyright 2020 Hewlett Packard Enterprise Development LP.
Compiled on 2020-12-14 at 20:40:11 UTC (build 78245) by p4build
#以下略
show switches
(MyMM) [mynode] #show switches
All Switches
------------
IP Address IPv6 Address Name Location Type Model Version Status Configuration State Config Sync Time (sec) Config ID
---------- ------------ ---- -------- ---- ----- ------- ------ ------------------- ---------------------- ---------
10.1.10.33 None MyMM Building1.floor1 master ArubaMM-VA 8.7.1.1_78245 up UPDATE SUCCESSFUL 0 1
バージョンアップ後の正常性確認
バージョンアップ後は、各種正常性確認を行いバージョンアップ後の状態に問題がないことを確認します。
2 つ目のパーティションのバージョンアップ
バージョンアップ後の正常性確認で問題が無ければ、必要に応じて 2 つ目のパーティションについてもバージョンアップを行います。
2 つ目のパーティションのバージョンアップ時は、2 つ目のパーティションについて上の画面で [Upgrade] を行うのみで良く、システムの再起動は必要ありません。
(モビリティ・マスターは既に新バージョンの OS で稼働しているため。)
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