STP
パスコスト
帯域幅 | コスト |
10Gbps | 2 |
1Gbps | 4 |
100Mbps | 19 |
10Mbps | 100 |
ルートブリッジ
- ブリッジ ID が最も小さいスイッチがルートブリッジとして選出される
- ブリッジ ID = [ブリッジプライオリティ 2 byte] + [MAC アドレス 6 byte]
- ブリッジプライオリティ最小のスイッチがルートブリッジとなる
- ブリッジプライオリティのデフォルト値は
32768
収束までのプロセス
- ルートブリッジの選出(全筐体)
- ルートポートの選出(非ルートブリッジの各筐体)
- 指定ポートの選出(各リンク)
- 非指定ポートの決定
ポート状態の遷移
- ブロッキング
- 最大エージ 20 秒(STP 再計算までの猶予時間)
- リスニング
- 転送遅延 15 秒(リスニング→ラーニング遷移時の待機時間)
- ラーニング
- 転送遅延 15 秒(ラーニング→フォワーディング遷移時の待機時間)
- フォワーディング、またはブロッキング(収束)
- 収束までの時間:20 + 15 + 15 =
50
秒
- 収束までの時間:20 + 15 + 15 =
- BPDU 間隔:2 秒
- 非指定ポートを持つスイッチでのルートポート側リンク障害時は最大エージの待機無しで再計算開始されるため、収束までの時間は
30
秒 - 各種タイマ値は変更可能、だが変更することは少ない
各種設定
STP 有効化・無効化
STP はデフォルトで有効
spanning-tree vlan vlan-id
no spanning-tree vlan vlan-id
ブリッジプライオリティの設定
spanning-tree vlan vlan-id priority priority
priority
は 4096 の倍数で指定する- 0, 4096, 8192, 12288, 16384, 20480, 24576, 28672, 32768,..,61440
ポートコストの設定
インターフェースモードで設定
spanning-tree vlan vlan-id cost cost
ポートプライオリティの設定
インターフェースモードで設定
spanning-tree [vlan vlan-id] port-priority priority
vlan
を指定しない場合はすべての Vlan のプライオリティを設定priority
は 16 の倍数で指定- デフォルトは 128
- ルートポート選出時に複数ポートでパスコストが同値の場合、ポート ID(ポートプライオリティ + 内部ポート番号)がより小さい方がルートポートに選出される
portfast の設定
インターフェースモードで設定
spanning-tree portfast
- アクセスポートに対して設定する場合
spanning-tree portfast trunk
- トランクポートに対して設定する場合
PC、サーバ、ルータ等が接続するポートは portfast を設定するのが一般的。
BPDU ガードの設定
portfast を設定したポートでは BPDU を受信しない前提のため、一般的には BPDU ガードも併せて設定する。
インターフェースモードで設定
spanning-tree bpduguard enable
またグローバル設定の以下コマンドで、portfast と設定したポートについてデフォルトで BPDU ガードを有効化することも可能。
spanning-tree portfast bpduguard default
RSTP
- STP の改良版で、収束までの時間が STP より短く数秒単位
- 実用環境では一般的には STP ではなく RSTP を使用する
収束までのプロセス
- ルートブリッジの選出
- ルートポートの選出
- 指定ポートの選出
- 代替ポートの選出
RSTP モードへの設定
spanning-tree mode rapid-pvst
その他設定は STP と同様
考慮点
- 最近の機種(C9000シリーズなど)ではデフォルトで RSTP モードが有効化されている
- ループを構成する他のスイッチの中で STP モードのスイッチが存在する場合、RSTP モードを設定していても STP モードでの動作となる(収束までに 30 秒かかる)
- 古いバージョンの IOS やルータの SW インターフェースでは RSTP モードを設定できない
RSTP でも通信断が 30 秒になる場合の確認ポイント
- ループを構成する他の機器はすべて RSTP モードになっているか
- クライアント、ルータ、AP が接続するポートは
portfast
が設定されているか- トランクポートの場合は
portfast trunk
設定がされているか- AP 接続ポートはトランクポートのケースが多いため注意
- トランクポートの場合は
構築用お役立ち情報
ループ構成でない場合
ループ構成でない場合は、まず STP 自体を無効化することを検討したほうが良いかも。
C1111-8P でのデフォルトの STP 状態
C1111-8P にはスイッチポートが 8 ポートありますが、デフォルトではスイッチポートの STP は無効になっています。
具体的には、グローバルの spanning-tree mode
が未設定状態となっています。
spanning-tree mode
を設定するとスイッチポートで STP が有効になります。
C9000 スイッチでのパスコストメソッドについて
参考資料
スパニング ツリー プロトコル(STP)タイマーの説明と調整
このドキュメントでは、スパニング ツリー プロトコル(STP)タイマーと、このタイマーを調整するために従うべきルールについて説明します。
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