作業環境
- VMware Workstation Player 16.2.3
- Windows Server 2022
- Windows 10 Enterprise
- Citrix Virtual Apps and Desktops 7 2206
- Citrix Workspace app 2206
Citrix Virtual Apps and Desktops とは
VDI(仮想デスクトップ)環境を構築するためのソフトウェアです。
VDI サーバをソースとしてクライアントへアプリケーションやデスクトップ機能を提供します。
主にコアコンポーネントと呼ばれる以下の要素が含まれます。
- Delivery Controller
- クライアントとアプリケーションおよびデスクトップ機能との接続を管理します
- Studio
- クライアントに提供するアプリケーションおよびデスクトップを管理・設定します
- Director
- パフォーマンス監視とトラブルシューティングをします
- Lisence Server
- ライセンスの管理をします
- StoreFront
- クライアントの接続先となるストアを管理します
また、VDI サーバ(アプリケーションやデスクトップを配信するマシン)は、Windows マシンに対して Virtual Delivery Agent(VDA)をインストールすることで構築できます。
VDA は Delivery Controller とやり取りをするためのエージェントソフトです。
クライアントソフト
Citrix Virtual Apps and Desktops によって構築された VDI システムを利用するためのクライアントソフトとして Citrix Workspace app があります。
Citrix Workspace app を Windows マシンにインストールすることで、VDI を利用することができます。
Citrix Virtual Apps and Desktops 利用時の構成
- サーバ①
- VDI サーバ(VDA)
- サーバ②
- コアコンポーネント
- SQL サーバ
- サーバ③
- AD サーバ
- DNS サーバ
Citrix Virtual Apps and Desktops では、AD サーバによって認証を行います。よって、システム内には AD サーバが必要になります。
Citrix Virtual Apps and Desktops のコアコンポーネントは一つのサーバにインストールすることが可能です。また、DB サーバ(SQL)も必要になりますが、コアコンポーネントをインストール時に一緒にインストールすることが可能です。
検証構成
ここでは、以下の構成を構築してみます。

- サーバとクライアントはすべて VMware Workstation Player 上の仮想マシンとして構築します
① AD サーバの構築
まずは AD サーバ(DNS サーバ含む)を構築する必要があります。
手順については以下の記事を参考にしてください。
ここではドメインは ad.forcitrix.com
として構築します。
② 各サーバのドメイン参加
コアコンポーネントをインストールする仮想マシン②(Windows Server 2022)と VDI サーバとする仮想マシン③(Windows 10)を構築したドメインに参加させます。ドメイン参加手順については上に掲載している記事を参考にしてください。
③ Delivery Controller 等のインストール
仮想マシン②に対して Delivery Controller などのコアコンポーネントをインストールします。
コアコンポーネントをインストールするためには Citrix Virtual Apps and Desktops の ISO ファイルが必要になります。
ISO のダウンロード
ISO ファイルはこちらのページからダウンロードします。なお、事前に Citrix のフリーアカウントを作成してログインする必要があります。
ここでは Citrix Virtual Apps and Desktops 7 2206 を使用します。
ダウンロードページの以下赤枠の箇所をクリックします。

次のページでは以下の Download File をクリックします。

以下の同意画面が表示されるため、チェックを入れて Accept をクリックします。すると ISO ファイルのダウンロードができます。

コアコンポーネントのインストール
ダウンロードした ISO ファイルを右クリックからマウントします。

マウントされた ISO の中にある AutoSelect を実行します。

以下の画面が表示されるため、[仮想 Apps] の右にある [開始] をクリックします。

以下の画面が表示されるため、[はじめに] をクリックします。

以下のように再起動が必要との画面が表示される場合は一度再起動します。

再起動後は、上記の ISO マウントからの手順を再度行ってください。
[はじめに] をクリック後は以下の画面になるため、同意するを選択し [次へ] をクリックします。

次のコアコンポーネント画面では、すべてのコンポーネントにチェックが入っていることを確認して [次へ] をクリックします。

次の機能画面ではすべての機能にチェックが入っていることを確認して [次へ] をクリックします。なお、ここでは SQL Server が未インストール状態であることを前提としているため SQL Server にはチェックを入れたままにします。

次のファイアウォール画面ではデフォルトの [自動] のままとして [次へ] をクリックします。

次の概要画面では [インストール] をクリックします。

インストールが開始されるため完了まで待ちます。

SQL Server をインストールする場合は、SQL Server インストール完了後に一度再起動が必要になります。再起動後は上記の ISO マウントからの手順を再度実施し、AutoSelect を実行した画面の [はじめに] をクリックするところまで再度実施します。そうするとインストールが再開されます。
インストールが完了すると以下の画面になるため、[診断情報を収集する] のチェックを外した上で [次へ] をクリックします。

次の画面では [完了] をクリックします。

Delivery Controller 管理用ツールである Studio が起動します。

ここではまだ設定はしないため Studio はいったん閉じます。
StoreFront のインストール
続いて StoreFront をインストールします。
コアコンポーネントインストール時と同様に ISO の AutoSelect を起動し、以下の画面で Citrix StoreFront をクリックします。

以下画面では同意するにチェックを入れた上で [次へ] をクリックします。

以下の画面では [次へ] をクリックします。

以下の画面では [インストール] をクリックします。

インストールが開始されるため完了まで待ちます。

院スールが完了したら [完了] をクリックします。

再起動が必要になるため再起動します。

以上で StoreFront のインストールは完了です。
④ サイトの作成
Delivery Controller をインストールした仮想マシン② で Studio を起動します。 Citrix Studio 画面で [アプリケーションとデスクトップをユーザーに配信する] をクリックします。

以下のはじめに画面では任意のサイト名を入力した上で [次へ] をクリックします。

次のデータベース画面ではデフォルトのまま [次へ] をクリックします。

次のライセンス画面ではデフォルトのトライアルを使用するの状態のまま [次へ] をクリックします。
※ここではトライアルライセンスを使用します

次の接続画面では、接続の種類として [マシン管理を使用しない] を選択した上で [次へ] をクリックします。

次のそのほかの機能画面ではデフォルトのまま [次へ] をクリックします。

次の画面では [完了] をクリックします。

サイトの作成が完了すると以下の画面になります。

以上でサイトの作成は完了です。
⑤ Virtual Delivery Agent(VDA)のインストール
VDI サーバにする仮想マシン③ に Virtual Delivery Agent(VDA)をインストールします。
VDA は Virtual Apps and Desktop の ISO でダウンロードします。
コアコンポーネントインストール時と同様に ISO をマウントし、AutoSelect を実行します。
以下の画面で [マシンとイメージの準備] をクリックします。

以下の環境画面では [リモート PC アクセスまたはほかのテクノロジでプロビジョニングされたマシン] をクリックします。

以下のコアコンポーネント画面ではデフォルトのまま [次へ] をクリックします。

以下のリモート PC アクセスの追加コンポーネント画面ではデフォルトのまま [次へ] をクリックします。

以下の Delivery Controller 画面では、Delivery Controller の FQDN を入力し、[追加] をクリックします。

Delivery Controller の追加ができたら [次へ] をクリックします。

以下の機能画面ではデフォルトのまま [次へ] をクリックします。

以下のファイアウォール画面ではデフォルトの自動のまま [次へ] をクリックします。

以下の概要画面では [インストール] をクリックします。

インストールが開始されるため完了まで待ちます。

インストールが完了すると以下の画面になるため、[診断情報を収集する] のチェックを外した上で [次へ] をクリックします。

以下の画面では [完了] をクリックします。すると再起動します。

以上で VDA のインストールは完了です。
⑥ マシンカタログとデリバリーグループの作成
コアコンポーネントをインストールした仮想マシン②で Citrix Studio を起動します。
マシンカタログの作成
サイトのセットアップ画面で 2 マシンカタログ をクリックします。

以下の画面では [次へ] をクリックします。

以下の画面では [シングルセッション OS] を選択します。ここでは VDI サーバの OS を Windows 10 で構築していますが、Windows 10 はシングルセッション OS のためシングルセッション OS を選択します。

以下の画面では、マシンの種類は [電源管理されていないマシン]、マシンの展開方法は [ほかのサービスまたはテクノロジ] を選択します。

デスクトップエクスペリエンスの設定は任意で OK です。

マシンおよびユーザー画面では、[コンピューターの追加] から VDI サーバを追加します。

以下の画面ではマシンカタログ名を入力し、[完了] をクリックします。

以上でマシンカタログの作成は完了です。
デリバリーグループの作成
Citrix Studio のサイトのセットアップ画面から 3 デリバリーグループをクリックします。

以下の画面では [次へ] をクリックします。

以下の画面では作成していたマシンカタログを選択して [次へ] をクリックします。

以下の画面ではクライアントにデスクトップとアプリケーションのどちらを配信するのかを指定します。ここでは例としてデスクトップとします。

以下の画面ではリソースを使用するユーザを制限できます。ここでは例として2つのユーザに使用を制限することとしています。

以下画面ではデスクトップ割り当て規則を追加するため [追加] をクリックします。

割り当て規則はここでは以下のように設定します。

割り当て規則を追加できたら [次へ] をクリックします。

以下画面ではデリバリーグループ名を入力して [完了] をクリックします。

以上でデリバリーグループの作成は完了です。

⑦ StoreFront の設定
Citrix StoreFront でストアの作成をします。なお、ここでは HTTP のストアを作成します。
Citrix StoreFront 画面で [ストアの作成] をクリックします。

以下の画面では [次へ] をクリックします。

以下の画面ではストア名を入力し [次へ] をクリックします。

以下の画面では Delivery Controller を追加します。[追加] をクリックします。

以下画面でサーバー欄で Delivery Controller の IP アドレスまたは FQDN を追加します。またトランスポートの種類を HTTP とします。

Delivery Controller を追加できたら [次へ] をクリックします。

リモートアクセスについては有効にせずに [次へ] をクリックします。

認証方法についてはユーザー名とパスワードにします。

以下画面ではデフォルトのまま [作成] をクリックします。

ストア作成が完了すると以下画面になります。[完了] をクリックします。

Citrix StoreFront のストア画面にてストア URL を確認できます。

⑧ Citrix Workspace app のインストール
クライアントとする仮想マシン④にクライアントソフトの Citrix Workspace app をインストールします。
こちらのページからインストーラをダウンロードします。

ダウンロードしたインストーラを実行して Citrix Workspace app をインストールします。





インストールしたアプリを起動すると以下画面になります。

⑨ Workspace app の HTTP 接続用の設定
ストア URL を入力して [続行] をクリックしますが、HTTP のストア URL を入力すると以下のエラーメッセージが表示されます。

デフォルトでは HTTP のストア URL は使用できないため、こちらのページの通りレジストリの設定変更をします。レジストリ設定変更後は再起動が必要です。
再起動後はエラー無く HTTP のストア URL を使えます。

VDI デスクトップの利用テスト
Workspace app でストア URL を入力し続行をクリック後、以下のログオン画面が表示されるため、AD のユーザを使ってログオンします。

ログオン後、以下の画面になります。画面上部のデスクトップをクリックします。

以下のようにデスクトップのアイコンが表示されるため、そこをクリックします。

そうすると VDI サーバのデスクトップを表示することができます。

参考資料

