できない人とできる人の特徴について
「できる人はできない人の気持ちがわからない」という言葉をよく聞きます。今回はこの言葉のような思考を仕事の中で持つことが得策ではないことと、どのような考えをもって仕事に取り組むことが得策であるかについての私の考えを説明します。
人の気持ちはその人にしかわかりません
まず、人の気持ちはその人にしかわかりません。そのため、主体が「できる人」で対象が「できない人」という組み合わせに限らず、あらゆる人はあらゆる人の気持ちがわからないというのが事実ではないかと思います。
そのため、「できる人はできない人の気持ちがわからない」と主張することはただの言い訳にしかなりません。このことから、誰かにこの主張をすることは、多少同意される可能性はあるものの、「この人は言い訳をしているな」という印象を持たれることになるため、得策とは言えません。
「できる人はできない人の気持ちがわからない」と言う人の特徴
私の近くにも「できる人はできない人の気持ちがわからない」と言っていた人がいました。このようなことを言うということは自分が「できない人」であると自覚しているということになりますが、この人の特徴は以下の通りでした。
- 自分ができない理由を自分以外に求める
- 手順書の内容に不備がある
- ファイルサーバのフォルダ構造がわかりにくい
- 教え方が悪い、など
- 何でも自分がわかるように教えてもらえるのが当たり前と思っている
- 自分がつまづく手順書は良くない手順書と評価する、など
- できる人は苦労せずに何でもできていると思っている
- それに対して自分は苦労しているんだと主張する、など
- できる人はできない人の気持ちを理解するべきだと思っている
- 勝手に「自分は理解されていない」と考えて不貞腐れる
以上のように、完全に他責思考になっており、自分でどうにかしようという姿勢が全くありません。このような人は、教えられたことしかできるようになりません。また、教えられるまでできるようになりません。
「できる人」は自分自身の力で成長しようとしている
できない人は、できる人が苦労していないと考える傾向があると思いますが、できる人も苦労しています。誰でも初めて行うことは上手くできません。上手くできるようになるまでは苦労しています。できる人が苦労していないように見えるのは、できる人の”できていない頃の姿”を見たことがないからです。
できる人ができる人になるまでの過程についてですが、できる人はできるようになるための試行錯誤をしています。具体的には、以下の順で行動します。
- 「どのようにしたらできるようになるか」の案を考える
- 考えた案を実行する
- 実行した結果を分析する
- 分析結果から改善策を考え実施する
- 1~4を繰り返す
上のような手順は専門的な言葉でいうとPDCAサイクルといわれています。難しいことと思われるかもしれませんが、単純に考えると実行と改善を繰り返しているだけです。これだけで、人によってスピードに差はありますが、どんどん成長できます。
上の内容から、できる人とできない人の違いを端的に表現すると以下のようになります。
- できる人 → 自分自身の力でどんどん成長する
- できない人 → 誰かが教えてくれるのを待っている
「自分が成長するために何をすべきか」だけを考えよう
「できる人はできない人の気持ちがわからない」と考える人は、人に自分の気持ちを分かってもらいたいと考えていると思います。つまり、人が考えや行動を変えることを期待しています。しかし、自分以外の人の考えが変わることは滅多にありませんので非効率的です。
一方で、自分の考えや行動は変えることができます。人に期待するのではなく、自分自身の力で成長することを考えましょう。具体的には前項で説明したPDCAを実行しましょう。PDCAを実行する対象としては、業務の進め方、タスク管理方法、関係者との調整方法、提案方法など、改善したいと思っていることであればなんでも良いです。
色々なことに対してPDCAを継続することで、自然とPDCAを実行できるようになり、成長スピードが格段に上昇します。いきなり大きな課題に取り組むと挫折してしまうため、まずは小さい課題から始めてみるのが良いと思います。
「できる人」を目指してPDCAにチャレンジしてみてください。
より早く成長するためのヒントとして以下の記事も参考にどうぞ。
おまけ:「できない人はできる人の気持ちがわからない」と誰も言わない理由
「できる人はできない人の気持ちがわからない」とはよく聞きますが、その逆の「できない人はできる人の気持ちがわからない」とは聞いたことがありません。
これはなぜかと考ると、できる人は人に何かしてほしいとは考えておらず、自分がどうするかだけを考えているから、と言えるのではないでしょうか。
また人に依存せず、何でも自分でできるようになると、自分で色々コントロールできるようになることによりストレスが少なくなるということもあるので、そういった意味でもできる人は不満を持つことが少ないのかもしれません。