【ヤマハ】RTX ルータ設定のための基礎知識

ルータ

作業環境

  • RTX1200
    • Rev.10.01.53

コンソール接続

最近の機器ではコンソールポートは大体 RJ-45 ですが、RTX1200 のコンソールポートは RS-232C になっています。

そのため、作業用端末とコンソール接続する場合は USB-RS232C クロスケーブルなどが必要になるので注意してください。

筆者が使用する Windows 10 PC の場合は、以下のケーブルで手動でのドライバインストール不要で使用できることを確認しました。

Bitly

RTX1200 の後継機である RTX1210 以降ではコンソールポートが RJ-45 となっています。

電源の投入

RTX1200 の場合は、機器本体と電源ケーブルが一体型となっています。

電源ケーブルのプラグをコンセントに接続し、機器背面の電源スイッチを ON にすると電源が入ります。

機器を停止する場合は、電源スイッチを STANDBY にします。

コンソールの文字化け対策

RTX のデフォルトでは、表示する文字セットが SJIS となっています。

SJIS の場合、コンソールの出力に日本語が含まれるため、Tera Term などでコンソール接続したときに以下のように文字化けが発生します。

> show ip route
倶lbg?[N    Q[gEFC     C^tF[X  ?輅  t   O鉐

文字化けしないようにするためには、Tera Term の [設定 > 端末] で以下のように赤枠の部分を SJIS に変更します。

すると以下のように日本語が文字化けせずに表示されます。

> show ip route
宛先ネットワーク    ゲートウェイ     インタフェース  種別  付加情報

別の方法としては、RTX の設定で以下のように文字セットを ASCII に変更して出力を英字にすることもできます。(RTX1200 の場合)

# console character ascii

ただ、機器側の設定変更になるので、作業用端末の Tera Term 側の設定を変更する方が良いかと思います。

アクセスレベルについて

RTX の場合はアクセスレベルとして一般レベル管理レベルの 2 種類があります。

  • 一般レベル
    • ログイン直後のアクセスレベル
    • 機器の設定確認とログ確認のみ可能
    • プロンプト:>
  • 管理レベル
    • 一般レベルから administrator コマンドを実行すると移行可能
      • デフォルトでパスワードは設定されていない
    • 機器設定が可能
    • プロンプト:#

ユーザについて

ユーザの種類

ユーザには、名前が無くパスワードのみでログインできる無名ユーザ名前のあるユーザの 2 種類があります。

デフォルトのユーザ

デフォルトでは無名ユーザのみ存在します。デフォルトではパスワードは設定されていません。

初期状態でコンソール接続すると、以下のようにパスワードのプロンプトが表示されます。ここで何も入力せずに Enter を押下するとログインできます。

Password:

名前有ユーザ作成後のログイン動作

名前有ユーザを作成した後でも、コンソール接続または Telnet 接続した際に最初に表示されるプロンプトは Password: となります。

無名ユーザでログインしたい場合はそのままパスワードを入力して Enter を押下します。

名前有ユーザでログインしたい場合は、最初の Password: のプロンプトでは何も入力せずに Enter を押下します。すると、Username: のプロンプトが表示されるため、ユーザ名から入力します。その次に再度 Password: のプロンプトが表示されるため、パスワードを入力して Enter を押下してログインします。

Password:
Username: admin
Password:

設定変更と設定保存

設定変更は以下の流れで実施します。

  1. 機器にログインする
  2. 管理レベルに移行する
    • > administrator コマンド
  3. 設定変更を行う
    • 設定変更は機器の動作に即時反映されます
  4. 設定を保存する
    • # save コマンド
    • 設定を保存しない場合、機器再起動後に設定変更内容は失われます
  5. ログアウトする

# administrator password
Old_Password:
New_Password:
New_Password:
#
# save
セーブ中... CONFIG0 終了

工場出荷時への初期化

管理レベルで以下コマンドを実行すると工場出荷時へ初期化できます。

  • # cold start

コマンド実行後に管理パスワードの入力が必要です。

# cold start
Password:
RTFS formatting... Done.
Restarting ...

基本的なコマンド

コンソールログをまとめて出力させる

デフォルトではコンソールでコマンドを実行したときの出力は 1 ページ分ずつ表示されます。

ログ取得などのために、すべての出力をまとめて表示させたい場合は以下コマンドを実行します。

  • console lines infinity
>  console lines infinity

このコマンドは一般レベルと管理レベルのどちらでも使用できます。

このコマンドを実行後、同一セッション内で管理レベルに移行して save でコンフィグを保存すると、永続的な設定になるため注意してください。

save をしない限りはそのセッション中のみ有効になります。
※コンフィグには設定が表示されますが、再ログインするとコンフィグは元に戻ります

バージョン等の機器情報表示

  • show environment
    • バージョン
    • シリアル番号
    • MAC アドレス
    • リソース使用率
    • 起動時間
    • 筐体内温度
> show environment
RTX1200 BootROM Ver.1.04
RTX1200 Rev.10.01.53 (Mon Sep  9 15:23:58 2013)
  main:  RTX1200 ver=c0 serial=Dxxxxxxxx MAC-Address=xx:xx:xx:xx:xx:xx MAC-Addr
ess=xx:xx:xx:xx:xx:xx MAC-Address=xx:xx:xx:xx:xx:xx
CPU:   0%(5sec)   0%(1min)   0%(5min)    メモリ: 23% used
パケットバッファ:   0%(small)   0%(middle)   5%(large)   0%(huge) used
実行中ファームウェア: exec0  実行中設定ファイル: config0
デフォルトファームウェア: exec0  デフォルト設定ファイル: config0
起動時刻: 2021/08/08 12:57:32 +09:00
現在の時刻: 2021/08/08 13:01:53 +09:00
起動からの経過時間: 0日 00:04:21
セキュリティクラス レベル: 1, FORGET: ON, TELNET: OFF
筐体内温度(℃): 39

コンフィグ表示

  • show config
> show config
# RTX1200 Rev.10.01.53 (Mon Sep  9 15:23:58 2013)
# MAC Address : xx:xx:xx:xx:xx:xx, xx:xx:xx:xx:xx:xx, xx:xx:xx:xx:xx:xx
# Memory 128Mbytes, 3LAN, 1BRI
# main:  RTX1200 ver=c0 serial=Dxxxxxxxx MAC-Address=xx:xx:xx:xx:xx:xx MAC-Addr
ess=xx:xx:xx:xx:xx:xx MAC-Address=xx:xx:xx:xx:xx:xx
# Reporting Date: Aug 8 13:06:35 2021
ip lan1 address 192.168.100.1/24
dhcp service server
dhcp server rfc2131 compliant except remain-silent
dhcp scope 1 192.168.100.2-192.168.100.191/24

ログ表示

  • show log
> show log
2021/08/08 12:57:32: [LUA] Lua script function was enabled.
2021/08/08 12:57:37: Previous EXEC: RTX1200 Rev.10.01.53 (Mon Sep  9 15:23:58 2
013)
2021/08/08 12:57:37: Restart by cold start command
2021/08/08 12:57:37: RTX1200 Rev.10.01.53 (Mon Sep  9 15:23:58 2013) starts
2021/08/08 12:57:37: main:  RTX1200 ver=c0 serial=Dxxxxxxxx MAC-Address=xx:xx:xx:xx:xx:xx MAC-Address=xx:xx:xx:xx:xx:xx MAC-Address=xx:xx:xx:xx:xx:xx
2021/08/08 12:57:37: LAN1: PORT4 link up (10BASE-T Full Duplex)
2021/08/08 12:57:37: LAN1: link up

再起動

  • restart
    • 管理レベルで実行
# restart
Restarting ...

Ping と Traceroute

  • ping <宛先IP>
> ping 192.168.100.2
192.168.100.2から受信: シーケンス番号=0 ttl=127 時間=0.802ミリ秒
192.168.100.2から受信: シーケンス番号=1 ttl=127 時間=0.414ミリ秒
192.168.100.2から受信: シーケンス番号=2 ttl=127 時間=0.398ミリ秒

3個のパケットを送信し、3個のパケットを受信しました。0.0%パケットロス
往復遅延 最低/平均/最大 = 0.398/0.538/0.802 ミリ秒

  • traceroute <宛先IP>
> traceroute 192.168.100.2
 1  192.168.100.2       0.471 ms

マニュアル

以下のようなマニュアルが提供されています。

  • 取扱説明書
  • 設定事例集
  • コマンドリファレンス

マニュアルは以下のページからダウンロードできます。

manual release for RT Series


タイトルとURLをコピーしました