ルート再配送するネットワークでのトラブル事例
複数のダイナミックルーティングプロトコルを使用していて、かつルート再配送をしているようなネットワークでのトラブル事例について記載します。
このトラブルは設計・構築の現場で良く見られるトラブルで、原因がわかると「まぁ当然そうなるよね」と思うような基礎的な仕様が原因なのですが、意外と見落とされがちなので覚えておくと良いと思います。
サンプル構成と事象内容
事象を説明するために以下のようなネットワーク構成を考えます。

以下のようにそれぞれルーティングプロトコルを使用しています。
- OSPF
- RT1~RT2 間、RT1~RT3 間
- RT2、RT3 では OSPF に EIGRP ルートを再配送する
- EIGRP
- RT2~RT4 間、RT3~RT5 間
- RT4、RT5 では EIGRP にスタティックルートを再配送する
- スタティックルート
- RT4、RT5 ※NW-A 宛
ここで、RT2/RT3 において、NW-A 宛のルートがどのようになるかを考えます。深く考えずに単純に考えた場合、以下図のように EIGRP 側の RT4/RT5 をネクストホップとするようなルートになることが想定されると思います。

しかし、実際には以下図のように RT3 では NW-A 宛のルートは OSPF 側の RT1 をネクストホップとするようなルートになります。
※各ルータのルート広報のタイミングによって RT2 と RT3 の立場が入れ替わる場合があります

なぜこのようなルートになるのでしょうか。