相互再配送とタグによる再配送制御
一台のルータで EIGRP や OSPF などの 2 つのルーティングプロトコルを使用していて、かつそれらのルーティングプロトコルで相互にルートを再配送している場合、ルート再配送が繰り返されてネットワーク全体のルーティングに不具合が発生する場合があります。これを防止するために、タグを用いて再配送を制御することが良く行われます。
例えば以下のネットワークを考えてみます。RT2,RT3 では OSPF と EIGRP を使用していて、相互に再配送しています。この場合、例えば EIGRP から OSPF に再配送されたルートが回り回って EIGPR に再配送されて EIGRP の区間に戻ってくるといったことが起こる可能性があります。

ここで、一度再配送されたルートが再度再配送されて戻ってこないように、タグを使用して再配送を制御することができます。例えば、再配送時にルートにタグを付与すると同時に、そのタグが付けられたルートは再配送しないようにするといった設定をすることが可能です。

タグによる再配送制御をすることに起因するトラブル事例
これは実際に構築現場で起きた事例なのですが、以下のように YAMAHA の RTX ルータが含まれているネットワークにおいてその事象は起きました。

YAMAHA の RTX ルータに詳しい人は気付いたかもしれませんが、色々な条件が重なって発生した事象であり「こんなことが起こり得るのか」とトラブル発生中ながら感心(?)しました。