ネットワークエンジニアが資格を取得することの価値とは

資格
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私の立ち位置

資格の価値を語る場合、当人の立ち位置によって考え方が変わると思いますので、まず私の立ち位置を記載しておきます。

  • 職業:SES企業のネットワークエンジニア
  • 主要経験業務:商業施設のネットワーク系IT設備の保守運用
    • 自分で手を動かすよりベンダコントロールが多い
    • エンドユーザと直接調整する立ち位置
  • 保有資格
    • IPA: 基本/応用情報技術者、ネットワークスペシャリスト
    • Cisco: CCNP
    • LPI: LPICレベル1~3
    • Oracle: Silver DBA11g、Java Silver SE 8
    • EXIN: ITILファンデーション

その他、より詳細は以下記事を参照してください。

→ 松田 一久(まつだ かずひさ)について

ネットワークエンジニアが資格を取得することの価値とは

私としては、資格取得の価値として以下があると考えています。

  • 参画する案件の選択肢が広がる、または案件に参画しやすくなる
  • 知識や能力が一定以上あることを客観的に示すことができる
  • 仕事をする上での信用につながる(錯覚資産になる)
  • 資格手当がつく

参画する案件の選択肢が広がる、または案件に参画しやすくなる

SES企業でエンジニアとして働く場合、まず案件に参画するために取引先にスキルシート(業務経歴書みたいなもの)を送付して、面談の機会を得て、面談を受けるという工程が発生します。このときに、資格を持っているとアピール材料になります。案件によっては、指定の資格を持っていることが条件になっている場合もあります。

未経験の場合

未経験の場合、実務経験というアピール材料がないため、新入社員研修の内容や学生時代の経験くらいしかアピールできません。ただし、何かしら(IT系の)資格を持っていれば、追加のアピール材料にすることができる上、一定以上の知識および能力の保証ができます。これにより面談まで進みやすくなり、さらに面談を通りやすくなります。

経験有りの場合

経験有りで面談を受ける場合は、現場経験の内容が重視されるとは思いますが、経験に加えて関連する資格を持っていれば、経験を裏付ける客観的な証拠となり説得力が増します。

知識や能力が一定以上あることを客観的に示すことができる

資格を取得するためには試験に合格する必要があります。試験に合格するためには、それだけの知識のインプットが必要です。ということは、知識を活用して実務ができるかどうかは分からないにしても、一定以上の知識はある(可能性が高い)と考えることができます。

さらに、試験に合格できるだけの知識をインプットするためには、人によって程度に差はあるにしても 、継続して勉強をする必要があります。このことから、資格を持っている人というのは、目標達成に向けて努力を継続できる(可能性が高い)と考えることができます。

以上の2点から、資格を持っている人と持っていない人がいて、他の条件が同じであれば、資格を持っている人が選ばれる可能性が高くなると考えることができます。

仕事をする上での信用につながる(錯覚資産になる)

資格を持っていると、実態は別として、それだけでその分野に詳しそうとか仕事ができそうとか、そういう印象を持たれることがあります。(前の項目に記載している内容もこの一例です。)つまり、仕事をする上において信用されやすくなります。そうすると、仕事がやりやすくなります。(実力以上を期待されると大変ではありますが。。。)

この点はいわゆる「錯覚資産」に当たるものと考えて良いと思います。

資格手当がつく

これは会社によるのですが、資格取得を奨励している会社では資格手当がつくことが多いです。資格手当のパターンとしては、月々一定額が支給されるパターンと資格取得時に一時金が支給されるパターンがあります。また、手当とは別に資格試験合格時は受験料が支給されることが多いのではないかと思います。

私の場合でいうと、いくつか資格を取得していますが、月々で計数万単位で資格手当がついているのと、一時金で数万~十万単位の支給があったものがありました。

最初にどの資格を取ったら良いか

最初にどの資格から取ったら良いかについては、現在またはこれから参画する現場の業務に関連する資格が良いと思います。

未経験者であったり、現在の業務に関連する資格が特になさそうということであれば、ネットワークエンジニアの観点で考えると、以下あたりが良いかなと思います。

  • 基本情報技術者(IPAの資格)
  • CCNA(Ciscoの資格)
  • LPICレベル1(LPIの資格)

基本情報技術者(IPAの資格)

IPA(情報処理推進機構)が実施している情報処理技術者試験の一つで、国家資格です。ネットワークエンジニアに限らず、IT系エンジニアに必要な全般的な知識の証明ができます。IPAの試験は基本→応用→高度のレベルがありますが、高度になると分野ごとの試験に分かれ専門色が強くなります。受験コストも比較的低く、一度取得すると無期限で有効なためおすすめです。

いきなり高度試験から受験することもできますが、基本的には、基本情報技術者→応用情報技術者→高度試験と順に取得していくのが無難かと思います。

試験情報 | IPA 独立行政法人 情報処理推進機構
情報処理推進機構(IPA)の「試験情報」に関する情報です。

CCNA(Ciscoの資格)

ネットワーク機器メーカ最大手のCisco社の認定資格です。Ciscoの資格にはレベル順にCCNA、CCNP、CCIEなどがあります。Cisco製のネットワーク機器を扱う現場の場合、資格で得た知識をそのまま活かせます。ネットワーク系の企業ではCCNAかCCNPまでは社員に研修で取得させていたりします。ネットワーク系の案件を狙うのであれば、未経験でもCCNAを持っていればある程度のアピール材料になると思います。ただし、受験コストが数万単位と高く、資格に有効期間(CCNAなら3年)がある点に注意してください。※有効期間を延長するには再度試験に合格するか上位資格に合格してアップデートする必要があります。

CCNA - Training & Certifications
The CCNA certification validates your skills and knowledge in network fundamentals, network access, IP connectivity, IP services, security fundamentals, and aut...

LPICレベル1(LPIの資格)

LPIが提供しているLinuxに関しての資格です。Linuxサーバを扱っている現場で役立ちます。こちらもネットワーク、インフラサーバ系の企業では社員に研修で取得させている企業もあります。受験コストはCCNAよりは低いですが数万単位で、資格の有効期間は5年間です。 ※有効期間を延長するには再度試験に合格するか上位資格に合格してアップデートする必要があります。

Linux Professional Institute LPIC-1

ちなみに、LPICと似た資格でLinuCという資格がありますが、こちらはLPICの下位互換のようなものなので、取得する必要はないと考えて良いと思います。

資格か経験かについて

資格はあまり意味がない、実務経験が大事という話をよく聞きますが、基本的に2つは比較するものではなくそれぞれ補完関係にあるものなので、どちらがより大事かという議論は無意味だと思っています。

それぞれがトレードオフの関係というわけではないので、資格と経験両方あるのが間違いなくベストです。

資格を持っている人は資格を取る過程を知っているので、資格を持っている人を評価します。

迷わずに前に進みましょう。

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