VMware Workstation Player ネットワーク設定の詳しい説明

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作業環境

  • VMware Workstation 16 Player 16.2.3

VMware Workstation Player でのネットワーク設定

VMware Workstation Player では仮想マシンを作成して様々な OS をインストールできますが、ネットワークの設定が意外と重要になります。

ここでいうネットワーク設定とは、仮想マシン設定におけるネットワークアダプタの設定のことを指します。

ネットワーク設定を考える際には以下のような点を考慮します。

ネットワーク設定での考慮点
  • 仮想マシンにネットワークアダプタをいくつ搭載させるか
  • 各ネットワークアダプタの接続先ネットワークをどこにするか

ネットワークアダプタのタイプ

仮想マシン設定のネットワークアダプタのネットワーク接続欄を見ると、いくつかのタイプがあることが分かります。

「カスタム」タイプについてはここでは説明を省略します。

① ブリッジ

ブリッジは、VMware Workstation Player が動作しているホストマシンのアダプタが接続するネットワークに仮想マシンのアダプタを直接接続します。

イメージとしては以下のような感じです。

仮想マシンと外部ネットワーク間の通信(ブリッジ)
  • 仮想マシンから外部ネットワークへの通信
    • ホストマシンのアダプタを介して直接外部ネットワークと通信可能
  • 外部ネットワークから仮想マシンへの通信
    • ホストマシンのアダプタを介して直接仮想マシンと通信可能

ブリッジ先アダプタの設定

アダプタのタイプとしてブリッジを選択した場合、ブリッジ先となるホストマシンのアダプタを指定する必要があります。

ネットワークアダプタのネットワーク接続欄にある [アダプタの設定] をクリックします。

以下の画面が表示されるため、リストの中からブリッジ先として使用したいアダプタにチェックを入れ、[OK] をクリックします。これでブリッジ先のアダプタを設定できます。

  • 複数のアダプタにチェックを入れた場合、チェックを入れたアダプタのうち一番上にあるアダプタのみが使用されます
  • ブリッジ先アダプタの設定はすべての仮想マシンで共通になります。仮想マシン別にブリッジ先アダプタを変えるといったことはできません
「物理ネットワーク接続の状態を複製」について
  • 公式マニュアルによるとその意味は「有線ネットワーク、または無線ネットワークから別のネットワークへ移動するとき、IP アドレスが更新されます。」となっていて、ホストマシンがノート PC などのモバイルデバイスの場合に ON にすることが推奨されています
  • とはいえホストマシンノート PC の場合でも基本的には OFF で問題ありません

② NAT

NAT は、VMware Workstation Player の仮想 NAT ネットワークに接続するアダプタです。

イメージとしては以下のような感じです。

NAT ネットワークの特徴は以下です。

NAT ネットワークの特徴
  • 外部ネットワークへの通信が可能でゲートウェイ IP は .2
    • 外部ネットワークへ通信時はホストマシンのアダプタ(ホストマシンのルーティングに従って決定)を使用し、送信元 IP が 当該アダプタの IP に NAT される
  • ネットワーク内に DNS サーバが存在する(.2)
  • ネットワーク内に仮想 DHCP サーバが存在する(.254)
  • ネットワーク内にホストマシンの NAT アダプタ VMnet8 が存在する (.1)
  • NAT ネットワークの IP セグメントは VMware Workstation Player をホストマシンにインストール時にランダムで決定される

上記特徴から、仮想マシンでアダプタの IP 設定を DHCP から自動取得する設定にしておくと以下のように IP 情報を取得できます。

イーサネット アダプター Ethernet0:

   接続固有の DNS サフィックス . . . . .: localdomain
   説明. . . . . . . . . . . . . . . . .: Intel(R) 82574L Gigabit Network Connection
   物理アドレス. . . . . . . . . . . . .: 00-0C-29-B8-F5-26
   DHCP 有効 . . . . . . . . . . . . . .: はい
   自動構成有効. . . . . . . . . . . . .: はい
   リンクローカル IPv6 アドレス. . . . .: fe80::55c:40a:972d:aa1a%4(優先)
   IPv4 アドレス . . . . . . . . . . . .: 192.168.75.131(優先)
   サブネット マスク . . . . . . . . . .: 255.255.255.0
   リース取得. . . . . . . . . . . . . .: 2022年5月5日 14:21:40
   リースの有効期限. . . . . . . . . . .: 2022年5月5日 14:51:39
   デフォルト ゲートウェイ . . . . . . .: 192.168.75.2
   DHCP サーバー . . . . . . . . . . . .: 192.168.75.254
   DHCPv6 IAID . . . . . . . . . . . . .: 100666409
   DHCPv6 クライアント DUID. . . . . . .: 00-01-00-01-27-8C-1A-51-00-0C-29-B8-F5-26
   DNS サーバー. . . . . . . . . . . . .: 192.168.75.2
   プライマリ WINS サーバー. . . . . . .: 192.168.75.2
   NetBIOS over TCP/IP . . . . . . . . .: 有効

仮想マシンと外部ネットワーク間の通信(NAT)
  • 仮想マシンから外部ネットワークへの通信
    • ホストマシンのアダプタを介して送信元 NAT されることで通信可能
  • 外部ネットワークから仮想マシンへの通信
    • 不可

③ ホストオンリー

ホストオンリーは、VMware Workstation Player の仮想 ホストオンリーネットワークに接続するアダプタです。

イメージとしては以下のような感じです。

ホストオンリーネットワークの特徴は以下です。

ホストオンリーネットワークの特徴
  • 他のどのネットワークとも接続しておらず外部ネットワークへの通信は不可
  • ネットワーク内に仮想 DHCP サーバが存在する(.254)
  • ネットワーク内にホストマシンのホストオンリーアダプタ VMnet1 が存在する (.1)
  • ホストオンリーネットワークの IP セグメントは VMware Workstation Player をホストマシンにインストール時にランダムで決定される

上記特徴から、仮想マシンでアダプタの IP 設定を DHCP から自動取得する設定にしておくと以下のように IP 情報を取得できます。

イーサネット アダプター Ethernet0:

   接続固有の DNS サフィックス . . . . .: localdomain
   説明. . . . . . . . . . . . . . . . .: Intel(R) 82574L Gigabit Network Connection
   物理アドレス. . . . . . . . . . . . .: 00-0C-29-B8-F5-26
   DHCP 有効 . . . . . . . . . . . . . .: はい
   自動構成有効. . . . . . . . . . . . .: はい
   リンクローカル IPv6 アドレス. . . . .: fe80::55c:40a:972d:aa1a%4(優先)
   IPv4 アドレス . . . . . . . . . . . .: 192.168.200.128(優先)
   サブネット マスク . . . . . . . . . .: 255.255.255.0
   リース取得. . . . . . . . . . . . . .: 2022年5月5日 14:57:46
   リースの有効期限. . . . . . . . . . .: 2022年5月5日 15:27:47
   デフォルト ゲートウェイ . . . . . . .:
   DHCP サーバー . . . . . . . . . . . .: 192.168.200.254
   DHCPv6 IAID . . . . . . . . . . . . .: 100666409
   DHCPv6 クライアント DUID. . . . . . .: 00-01-00-01-27-8C-1A-51-00-0C-29-B8-F5-26
   DNS サーバー. . . . . . . . . . . . .: 192.168.200.1
   NetBIOS over TCP/IP . . . . . . . . .: 有効

仮想マシンと外部ネットワーク間の通信(ホストオンリー)
  • 仮想マシンから外部ネットワークへの通信
    • 不可
  • 外部ネットワークから仮想マシンへの通信
    • 不可

④ LAN セグメント

LAN セグメントは、VMware Workstation Player 内に手動で作成した仮想 ネットワークに接続するアダプタです。

イメージとしては以下のような感じです。

LAN セグメントの特徴は以下です。

LAN セグメントの特徴
  • 他のどのネットワークとも接続しておらず外部ネットワークへの通信は不可
  • ネットワーク内にはデフォルトでは他の機器は何も存在しない

仮想マシンと外部ネットワーク間の通信(LAN セグメント)
  • 仮想マシンから外部ネットワークへの通信
    • 不可
  • 外部ネットワークから仮想マシンへの通信
    • 不可

LAN セグメントの作成

デフォルトでは LAN セグメントは存在しないため、LAN セグメントを使用する場合は手動で作成します。

仮想マシン設定のネットワークアダプタ画面で [LAN セグメント] ボタンをクリックします。

すると以下の画面が表示されるため、[追加] ボタンをクリックします。するとリストの中に LAN セグメントが追加されます。追加された LAN セグメントの名前を任意に設定してから [OK] をクリックすれば LAN セグメントを追加できます。

LAN セグメントの設定

仮想マシン設定のネットワークアダプタ画面でネットワーク接続として LAN セグメントを選択します。その後リストの中から接続したい LAN セグメントをリストの中から指定します。

アダプタ・タイプ別の用途例

ブリッジ

  • 仮想マシンを外部ネットワーク(インターネット)に接続させたい場合
  • 外部ネットワークから仮想マシンに接続させたい場合
  • ホストマシンから仮想マシンに接続したい場合

NAT

  • 仮想マシンを外部ネットワーク(インターネット)に接続させたい場合
  • 外部ネットワークから仮想マシンに接続させたくない場合
  • DHCP を利用したい場合
  • 仮想マシン間を接続させたい場合
  • ホストマシンから仮想マシンに接続したい場合

仮想マシンを手っ取り早くインターネット接続させたい場合は NAT が最も簡単です。

ホストオンリー

  • 仮想マシンを外部ネットワーク(インターネット)に接続させる必要が無い場合
  • 外部ネットワークから仮想マシンに接続させたくない場合
  • DHCP を利用したい場合
  • 仮想マシン間を接続させたい場合
  • ホストマシンから仮想マシンに接続したい場合

LAN セグメント

  • 仮想マシンを外部ネットワーク(インターネット)に接続させる必要が無い場合
  • 外部ネットワークから仮想マシンに接続させたくない場合
  • 仮想マシン間を接続させたい場合
  • ホストマシンから仮想マシンに接続する必要が無い場合

ネットワークアダプタの追加

仮想マシンにはデフォルトでネットワークアダプタが 1 つ搭載された状態になっていますが、2 つ以上に増やすことができます。

仮想マシン設定画面の下にある [追加] をクリックします。

以下の画面が表示されるため、[ネットワークアダプタ] をクリックして選択状態にした上で [完了] をクリックします。

これで仮想マシンにネットワークアダプタを追加することができます。

仮想マシンのネットワークアダプタの最大数は 10 です。

参考資料

仮想ネットワーク アダプタの設定の構成
仮想ネットワーク アダプタが仮想マシンに接続されるタイミングと、アダプタが提供するネットワーク接続のタイプを構成できます。
仮想ネットワーク コンポーネントについて
Workstation Player の仮想ネットワーク コンポーネントには、仮想スイッチ、仮想ネットワーク アダプタ、仮想 DHCP サーバ、NAT デバイスが含まれます。

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