検証環境
- YAMAHA RTX1200
- Rev.10.01.78
RTX における OSPF へのルート再配送の設定方法
スタティックルートやその他ルーティングプロトコルのルートを OSPF に再配送するためには以下コマンドで設定します。
OSPF への再配送の設定
ospf import from <protocol> [filter <id1> <id2> ...]
<protocol>
:OSPF に再配送するプロトコルを以下から指定- static:スタティックルート
- rip:RIP ルート
- bgp:BGP ルート
filter <id1> <id2> ...
:オプション。再配送するルートをフィルタリングしたい場合に設定する<id1> <id2> ...
:適用するフィルタの番号をスペース区切りで指定する
スタティックルート再配送の設定例
以下の構成で、RTX で OSPF にスタティックルートを再配送してみます。

再配送設定を除く RTX の基本設定は以下の通りです。
ip route 192.168.10.0/24 gateway 192.168.100.100
ip route 192.168.11.0/24 gateway 192.168.100.100
ip route 192.168.12.0/24 gateway 192.168.100.100
ip route 192.168.20.0/24 gateway 192.168.100.100
ip route 192.168.21.0/24 gateway 192.168.100.100
ip route 192.168.22.0/24 gateway 192.168.100.100
ip lan1 address 192.168.100.1/24
ip lan2 address 10.20.30.2/24
ip lan2 ospf area backbone
ip lan3 address 10.20.40.2/24
ospf use on
ospf router id 2.2.2.2
ospf area backbone
OSPF にスタティックルートを再配送するためには以下の設定を追加します。
ospf import from static
設定変更後、設定変更を実際の動作に反映させるためには、機器を再起動させるか、または以下のコマンドを実行して OSPF をリフレッシュする必要があります。
ospf configure refresh
この後、隣接ルータ RT2 にて OSPF ルートを確認してみます。すると以下の OSPF ルートを受信できていることが確認でき、RTX でスタティックルート再配送ができていることが分かります。
O E2 192.168.10.0/24 [110/1] via 10.20.30.2, 00:01:40, Vlan123
O E2 192.168.11.0/24 [110/1] via 10.20.30.2, 00:01:40, Vlan123
O E2 192.168.12.0/24 [110/1] via 10.20.30.2, 00:01:40, Vlan123
O E2 192.168.20.0/24 [110/1] via 10.20.30.2, 00:01:40, Vlan123
O E2 192.168.21.0/24 [110/1] via 10.20.30.2, 00:01:40, Vlan123
O E2 192.168.22.0/24 [110/1] via 10.20.30.2, 00:01:40, Vlan123
RTX における OSPF へのルート再配送に関する注意点
上に記載している通り、単に OSPF にルート再配送するだけであれば一行設定を追加するだけで良く、簡単に設定できます。ただ、実際に設計・構築を行う際には考慮しておくべき注意点があります。